これで飯野、どうでも飯野。

毒親・女子校育ちの24歳。もうすぐ無職。麦酒を片手に好き勝手書きます。

歌舞伎じゃ名古屋じゃ顔見世じゃ

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仕事を休んで、親と顔見世に行ってきました。
最近は映像で見るばっかりで、最後に舞台を観に行ったのは大学生の頃、御園座にて。今回は金山のビレッジホール。やっぱりどうにも趣がないね……

今日は親の奢りで一等席。そしてイヤホンガイドも借りました。ガイドは初めて借りたけれど、あったほうが良いですね。衣装や台詞の説明等、見るべきところをきちんと教えてくれます。

では、今回の演目の感想を簡単に。(粗筋部分は歌舞伎美人からの引用)

一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)

 諏訪湖畔・長尾謙信の館。武田信玄の嫡男勝頼は将軍暗殺の真犯人を捜し出すことができずに切腹。許嫁であった長尾謙信の息女・八重垣姫が、香を焚き勝頼の菩提を弔っていると、勝頼と瓜二つの男が現れるので、八重垣姫は腰元濡衣に恋の仲立ちを頼みます。実は切腹した勝頼は偽物で、本物の勝頼は蓑作と名乗って長尾家に仕官し、武田家の重宝である諏訪法性の兜を奪い返そうとしていたのです。そこへ長尾謙信が現れ…。
 深窓の姫君の一途な恋を描いた義太夫狂言で、錦絵のような華麗な美をお贈りします。

正直、これだけ見難かった。台詞が聞き取りにくくて……事前に粗筋を知っていたので辛うじて理解できましたが、そうでなかったら全く何が何だかわからなかったかと。
また、この話の肝となるのは、今回演じられた『十種香(じゅしゅこう)』の次の場である『狐火(きつねび)』。謙信が差し向けた追手によって殺されそうになる勝頼の身を案じて、八重垣姫が狐の霊力を借りて湖を渡る、というシーンで面白いのです。『十種香』にはそういう派手さはありません。けれど、可愛らしい姫が、顔を赤らめながらも好きな男に積極的に迫る、その姿が良いのかなあと思います。
あとは、登場人物の衣装の色彩が見事。計算された美しさがあります。非常に華やかな舞台でした。

二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)

 大名の山蔭右京は、愛人の遊女・花子がはるばると都にやって来たので会いに行きたいと思案しています。しかし、奥方の玉の井が片時もそばを離れないために、会いに行くことができません。そこで一計を案じた右京は、玉の井に懇願し、仏詣に出かける代わりに持仏堂で座禅をすることを許されます。しかし、右京は家来の太郎冠者に座禅衾を被せると、花子の元へと向かいます。それを知った玉の井は…。
 狂言の「花子」を題材にしたユーモアあふれる人気舞踊劇をお楽しみください。

いつでも笑いが起こる定番の演目。「山の神」と恐妻を恐れながら、必死に浮気の方法を考える夫の姿が憎めません。が、嘘を吐かれてまで他の女と会われてしまった妻の怒りも理解できる……!!! けれど全体的にコミカル、男も女も顔芸がすごいの(笑)
また、大向う(客席からかかる掛け声。役者初登場時の「○○屋ァ~ッ!!」ってやつとか)がうまくかかっていたのもこの演目。右京が太郎冠者(に扮する玉の井)に、花子との逢瀬の報告をするシーンで、「待ってましたァッ!」とかかるのは、花子が右京に対して「待っていたのよ」と言う話にかけてのもの。玉の井が右京に怒り心頭で、取っ組み合いの喧嘩になるときの舞でのキメでは「許せ、許せ」とかかるわけです。

三、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)

 伊勢の御師(神官)の福岡貢は、かつての主筋にあたる今田万次郎のため、御家の家宝である名刀青江下坂を取り返します。万次郎へ渡すため油屋を訪れると、家来筋で料理人の喜助に預けます。貢の恋仲の油屋遊女お紺は、貢のために折紙(鑑定書)を手に入れようと、わざと貢に愛想尽かしをします。さらに意地悪な仲居の万野にまで罵倒された貢は、刀が偽物であると思い込み次々と人を斬ってしまいます。実は貢が手にしている刀は…。
 今から220年ほど前の寛政8(1796)年、伊勢の古市にあった遊郭・油屋で実際に起きた事件を題材に、近松徳三がわずか3日で書き上げたといわれています。世話物狂言の名作をご覧いただきます。

わたしの今回の目当てはこれ!!! これが見たかったの!! 何せ血みどろ芝居って聞いておりましたゆえ。実際、血がプシャーッではなく、血みどろ、でした。もう少し派手に血糊が飛び散ったらもっと良いのに(笑)
話の筋といい、登場人物それぞれのキャラクター(特に万野、ここまで気持ち良いクズババアはそうそういない)といい、とってもすきなお話になりました。しかし歌舞伎って、勧善懲悪系の話が多いのに、貢は罰せられないで終わるのです。妖刀に操られているからなのかしら。
フラフラとした足取りで妖刀を振り回す姿はちょっと艶っぽくて素敵。あと、刀を振り上げるときに着物の袖から、白粉が塗られていない上腕(手から肘までは白粉が塗ってある)までちらりと見えて、わわわ、セクシーとどきどきしました。見てはいけないものを見てしまうと興奮するよね。